1.主訴
不妊症
2.患者樣
30歳代前半
3.現病歴と症状
1)1年半前から病院で不妊治療(タイミング法)をしていたが、妊娠できない。そこで、ご主人の原因もあるのではないかと検査した。その結果、問題が発見されて体外顕微受精移殖を実施することになった。病院は大学付属病院に移った。
2)大学病院では、子宮内膜の形成が薄く卵胞の発育が遅いと言われた。
3)小さい子宮筋腫がある。
4)生理周期が不安定である。基礎体温が不安定で高温期が短い。
5)みぞおち辺りに胃もたれや胸焼けがあり、チャポチャポいう(胃内停水)。
6)大腿の外側が時々、ピリピリする。
7)足の踵から先が冷える。
病院での治療と並行して、当院で鍼灸治療をしたいと来院されました。
4.治療結果
(1回目)脈診と腹診、および問診等から治療方針を決定。鍼で全身の経絡調整を行い、治療を開始。
(3回目)鍼治療は以下、同じ証(治療方針)で行う。自宅での灸治療を加えた。病院では2ヶ月後に採卵、胚移殖をすることに決定。
(6回目)継続治療。 患者様は、胃内停水がなくなってきたようでチャプチャプという音がなくなったことに気づいた。高温期が安定した基礎体温になってきた。
(8回目)病院で採卵予定、排卵誘発剤を注射しだした。鍼治療は継続した。大腿の外側のピリピリがなくなっているのに気づいた。大腿外側の経絡に気を補う治療を続けてきた結果と考えられる。
(9回目)病院で採卵した。顕微授精し2個の受精卵が確保できた。6日後、胚移殖した。
(12回目)尿検査で妊娠反応が出た。しかし、腹痛がある。出血は無い。その2週間後、子宮外妊娠が発見され、7月に卵管の手術を行った。以後3ヶ月間、鍼灸治療だけで大学病院の治療を休むことにした。
(23回目)基礎体温曲線が低温期から高温期にすっと上昇し、体温が安定している。これは「初めて」とのことだという。
(27回目)前々日、採卵。10個中7個が受精し培養で胚盤胞まで分割した。5日後、移殖。内膜の厚みは10ミリであった。卵巣過剰刺激で卵巣が5センチに腫脹した。腹水が溜まっている。夜にはお腹がパンパンに張る。これに対する鍼治療を追加した。
(30回目)この日、病院で妊娠判定があり陽性であった。胎嚢が4.6ミリであった。卵巣の腫れは約3センチになり良くなった。
(31回目)卵巣の腫れと腹水がおさまってきた。足の冷えが1月にも関わらず治っていたのに気がついた。
(33回目)8週目。つわりが楽になってきた。
(34回目)9週目、赤ちゃんの大きさは19.8ミリ。患者様のご希望で今回にて終了とした。出産予定日は今年8月末である。
(追記)その後、翌年10月に赤ちゃんを連れて来院されました。1歳の女の子でした。2人目が欲しいということで再治療を開始しました。診断しましたところ、出産で体質が変化していましたので治療方針を変更しました。その結果、同じ大学病院で移植を4月に行い、すぐに2人目を妊娠されました。出産予定は10月です。
以上
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脈診経絡はり治療専門
あん鍼灸院
香川県高松市木太町1247-11
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