1. 主訴
不妊症/無排卵
2.患者様
40歳代前半
3.現病歴と症状
1)第一子(女児4歳)がいる。病院で排卵誘発剤を使い、すぐに妊娠した。しかし、次の子供を妊娠できない。
2)病院では1年半、ずっと排卵誘発剤、およびクロミットやプレマリンを服薬し続けてきた。しかし、卵子はホルモン剤を使っても成長せず、排卵も起こらなかった。子宮内膜形成も薄い。ゆえに人工授精や体外受精胚移植はまだしていない。
3)卵管閉塞はない。
4)若年時から生理不順がある。周期が40日を超えることがある。頭痛と生理痛がある。
5)基礎体温が、高温期と低温期の二層を形成していない。ほとんど36.5度以下である。
6)浮腫がある。妊娠中、足甲と足首が境目が分からないくらい浮腫んでいた。最近では生理前にはお腹が浮腫み、大きくなる。生理が始まると浮腫は消える。
7)血尿がある。残念なことに治療20回目を過ぎて血尿症があることを告げられた。20歳代から(±)~(+)で推移してきた。今年に入って(++)が2回あった。蛋白尿はない。
鍼灸治療で体質改善して自然妊娠したい希望がある。
4.治療結果
(1回目) 脈診と腹診、および問診等から体と病、および十二経の「陰陽虚実」を診て治療方針を決定。鍼で全身の経絡調整を行い、治療を開始。よく体質改善と言われますが、妊娠がなかなかできないのは、その原因となる「病因」が必ずあります。その病因(上記2)から7))を治すことが目標です。排卵でき生理がきちんと起こる循環を取り戻すことが、まず大切と考えます。
(2回目)1回目と同じ方針で治療した。1回目の治療から患者様の意思で、薬の服用を中止している。
(3回目)同じ治療方針。2回目の治療以降、浮腫が軽くなっている。
(6回目)待望の自然排卵があった。排卵チェッカーで(+)だった。周期が39日から29日になった。基礎体温もほぼ2層になりつつある。
(9回目)続いて自然排卵があった。排卵チェッカーで(+)だった。さらに基礎体温が36.8~37.0度を維持して高温期を形成している。
(12回目)生理前の激しい浮腫がなくなり、また普段にも浮腫がなくなった。
(20回目)月経や排卵は毎月、正常に起こるようになっている。
(25回目)これまでこめかみ付近の割れそうな頭痛が全くなくなっている。生理痛もなくなった。しかし、困ったことに今頃、血尿症があると言う。血液が腎臓を通過し尿中に出ている。20歳代から血尿およびタンパク尿症があるとのことだった。妊娠中は尿タンパクは(ー)であったが、血尿は(±)~(+)で推移してきたそうだ。今年はもう2回(++)であった。しかし、病院の血液検査では異常なく、全て(ー)だったそうだ。経絡に流れる気、エネルギーに異常がある。治療方針を変更した。
(30回目)血尿の治療に集中している。
(31回目)生理が起こらない。しかし、尿検査で血尿(+)であった。
(32回目)「自然妊娠」反応が出た。6週目であった。
(34回目)9週で心拍が見えた。尿検査は血尿(±)であった。患者様の申し出により終了とした。
体全体の「気・血・水」を統括するネットワークである『経絡』の機能が正常に働いていない状態のまま、つまり、体が健康な状態でないままでは妊娠がなかなか難しい。まず、きちんと不妊の原因を根本的に治すことが最低必要です。この治験例は、後で血尿という大きい症状がわかったのですが、緩解段階で妊娠されました。本来ならば、この妊娠過程でこの血尿症を根本的に治し、健康な体になって出産に望んでいただきたかったのですが、患者様の希望でそれはできませんでした。少し残念な気がするとともに将来、腎機能低下症に結びつくのではと、心配です。
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脈診経絡はり治療専門
あん鍼灸院
香川県高松市木太町1247-11
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