1.主訴
肛門の奥の痛み/逆流性食道炎
2.患者樣
30歳後半 男性
3.現病歴と症状
1)3年前から、座っても立っても肛門の奥や前後が痛くなる、または違和感が続く(以下、肛門の奥の痛み)。「肛門の奥の痛み」という表現がわかりにくいが、痔のような肛門痛ではない。これが、患者様の3年間続く苦痛である。
2)3年前に、総合病院では「慢性前立腺炎」と診断され、服薬にて治療を続けてきたが治らなかった。1年前には別の大病院で直腸診やCTやMRIを測定したが、「異常なし」と診断され、薬もなく治療方法はないということだった。さらに、別の三つ目の病院でも治療を受けた。ここでも「慢性前立腺炎」と同じ病名を告げられたが、やはり治らなかった。
3)発症前までは元気にスポーツをしていたが、現在はしていない。
4)この2、3年前から逆流性食道炎があり、食後の膨満感、さらに胃液が上がってくる。服薬でずっと治療している。これも併せて治療する。
3年間ずっと病院で治療をしてきたが、病院では治らないことがわかり、鍼灸を受けてみようと来院された。
4.治療結果
(1回目)脈診と腹診、および問診等から体と病、および経脈十二経の「陰陽虚実」を診て治療方針を決定。鍼で全身の気の調整を行う治療を開始した。よく体質改善と言われるが、病にはそれを引き起こす「病因」が必ずあります。その病因を治すこと、すなわち体質改善が治療の目標です。
(5回目)肛門の奥の痛みは、良くなったり悪くなったりを繰り返している。もう少し、続ける。
(8回目)前回の治療後、何日か経って肛門の奥の痛みが幾分、良くなってきた。当初を100%とすれば40%くらいになったと患者様。
(13回目)肛門の奥の痛みが、20%くらいに減少して良くなってきている。
(15回目)10%くらいに緩解した。
(17回目)5%くらいに緩解した。
(19回目)肛門の奥の痛みは、ほとんど治った。若干の違和感が残る。「逆流性食道炎」もここにきてよくなった。胃液が上がってこなくなった。
(25回目)症状は楽になっている。脈状の変動がなくなってきた。一つの経絡だけの変動が残っている。
(26回目)上記の症状も脈状の変動もなくなった。根本治療できたと判断し治療を終了した。
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脈診経絡はり治療専門
あん鍼灸院
香川県高松市木太町1247-11
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