1.主訴
間質性膀胱炎/排尿痛・夜間頻尿
2.患者樣
70歳代前半 女性
3.現病歴と症状
1)4年前に発症し、総合病院にかかった。当時、尿は混濁していたが、痛みはなかった。病院から出される薬を服用してきたけれども、症状が良くなったり悪くなったりを繰り返しながら、だんだん悪化してきた。4年前は、頻繁に細菌性膀胱炎にかかっていた。
2)現在は、灼けるようなヒリヒリ感とジンジン感の「排尿痛」と一晩に5~8回の「夜間頻尿」がある。「排尿痛」は排尿の終わりに痛くなり、風呂で温めると痛みは和らぐ。また、尿が溜まると膀胱が痛い(「膀胱痛」)。特に、夕方に痛い。
4年間、病院で治療をしてきたが治らない。病院では「間質性膀胱炎」と診断されている。そこで鍼灸での治療をしたいということで来院されました。
4.間質性膀胱炎とは
間質性膀胱炎は、膀胱の粘膜と筋膜に細菌感染を伴わない症状がでる慢性膀胱炎です。間質性膀胱炎が疑われると、現代医学では「膀胱水圧拡張術」という検査、兼治療を行う。一時的な改善効果が期待される診断方法で治療法ではないようだ。下半身麻酔下で、膀胱に少しずつ生理食塩水を入れて膨らませる。水を抜くまでの膀胱内側の変化を尿道から入れた内視鏡で観察する。膀胱粘膜や筋膜に点状の出血や潰瘍部分の断列があれば、間質性膀胱炎と診断されるようだ。
症状は頻尿、尿意切迫、疼痛(膀胱・骨盤周囲・下腹部・大腿部・性器など)がある。生活の質が大変低下する病です。当院では経絡に流れる気を鍼で調整する「体質改善」で治療した。
5.治療結果
(1回目)脈診で治療方針を決定し、治療開始。
(2回目)1回目の治療から3日間だけ、排尿痛が消えていた。また治療の翌日に、就寝後1時間ごとに排尿があったのが、少し楽になってきたと喜びのお電話を頂きました。
(3回目)排尿の終わり頃に起こる排尿痛がなくなった。膀胱(または尿管)のヒリヒリ感、ジンジン感もいつの間にか無くなっている日がある。
(7回目)排尿痛のない日が、治療後3日間続くようになった。しかし、夜間頻尿は変わらず、一晩8回くらいある。眠れないと訴える。
(9回目)排尿痛のない日が、治療後4日間続くようになった。その後は夕方以降のみに痛む。この日の施術後、直ぐ、多量の排尿があった。夕方15時から17時には経脈「膀胱経」(主に膀胱を制御している)に気(電気のこと)が集まり、その平衡調整が毎日繰り返されている。この時間帯に症状が出やすい。
(11回目)夜間の頻尿に関して、1時間毎に排尿があったが2時間毎になり回数は半減し楽になった。以前より眠れるようになったとのこと。
(12回目)膀胱痛と排尿痛がなくなり、かつ夜間頻尿も1晩2回位になった。まだ治療回数が少なく根本治癒には至っていないが、患者様の希望から終了した。
以上
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脈診経絡はり治療専門
あん鍼灸院
香川県高松市木太町1247-11
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