間質性膀胱炎【治験例2】|あん鍼灸院

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1.主訴

間質性膀胱炎/夜間頻尿・膀胱痛

2.患者樣

60歳代後半 女性

3.現病歴と症状

1)7年前に症状が出て、二つの総合病院にかかった。しかし、未だに治らない。5年前に初めて「間質性膀胱炎」と診断された。尿の混濁はない。酸性気味と言われている。細菌はいない。病院から出される薬を服用し続けたが、症状が緩解と悪化を繰り返しながら、だんだん悪くなってきた。急性膀胱炎は10年前にかかったことがある。
2)「排尿痛」はない。一晩に2~3回の「夜間頻尿がある。尿が膀胱に溜まってくると昼夜を問わず膀胱痛がある。排尿後、痛みが出ることもある。1年くらい前から尿道口周囲がイガイガする(「尿道痛」)。これは尿道炎ではなく膀胱炎の症状であると病院で診断されている。
3)不眠の症状がある。安定剤と睡眠剤、漢方薬を服用している。
4)冷え性である。
5)昨年、突発性難聴になり、右耳に難聴がある。左耳には耳閉があり、耳の後ろでコトコトという耳鳴りがする。
7年間、病院で治療をしてきたが治らない。そこで鍼灸での治療をしたいと来院されました。

4.間質性膀胱炎

『間質性膀胱炎』は、膀胱に起こる症状で、細菌感染を伴わない慢性膀胱炎です。正確には膀胱筋膜に起こる症状で膀胱に溜まった尿を出せないことから「夜間頻尿」と「尿意切迫」、「疼痛(膀胱・骨盤周囲・下腹部・大腿部・性器など)」が起こる。

現代医学では原因が分かっていない病とされている。間質性膀胱炎が疑われると、現代医学では「膀胱水圧拡張術」という検査、兼治療を行う。一時的な改善効果が期待される診断方法で治療法ではないようだ。その方法は、下半身の麻酔下で膀胱に少しずつ生理食塩水を入れて膨らませる。水を抜くまでの間、膀胱内側の変化を尿道から入れた内視鏡で観察する。膀胱筋膜に点状の出血や潰瘍部分の断列があれば、『間質性膀胱炎』と診断される。症状は「夜間頻尿」「尿意切迫」が多い。

5.治療結果

(1回目)問診、望診、聞診、切診および脈診で治療方針を決定し、治療開始。
(3回目)割と早く膀胱の痛みが緩解してきた。さらに尿が出やすくなった。
(7回目)前回の治療後、4日間、尿道口周囲のイガイガ感(尿道痛)がなくなっていた。その間、薬を飲まないで過ごせた。それを過ぎるとイガイガ感がでてくる。排尿回数は日中6~8回、夜間は2回に減った(夜間頻尿)。排尿後の痛みが楽になった。夜間に寝汗が出る。寝着が汗で濡れる。さらに1週間に2回くらいの下痢がある。
(9回目)寝汗はなくなった。下痢は続いている。治療方針を変更した。
(10回目)膀胱痛と尿道口のイガイガ感が減少した。下痢は止まった。
(11回目)膀胱痛と尿道口のイガイガ感がほとんどなくなった。かつ夜間の排尿も1晩1回に減少した。ここで治療を終了した。

以上

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脈診経絡はり治療専門
あん鍼灸院

香川県高松市木太町1247-11
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