顔面麻痺【治験例6】|あん鍼灸院

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顔面麻痺

1.主訴

顔面麻痺

2.患者様

80歳代前半 女性

3.現病歴と症状

1)1月初めに発症。その前々日からめまいが起こっていた。その夜、顔面に麻痺が起こった。
2)翌日、耳鼻科病院に行ったところ「左側顔面神経麻痺」と診断された。治療はステロイド剤を服用した。3週間、治療を続けても麻痺が治らなかった。それ以上の治療はなかった。
次の症状があった。

症状 内容
左麻痺側は、完全に瞼を閉じることが出来ない。眼を閉じようとすると眼球が上に向く(兎眼)。
額の皺 額に皺を作ろうとしても左麻痺側に皺が出来ない。
口唇 左麻痺側の上下口唇間が閉まらず、さらに口角が下がっている。水を飲むと口から少し漏れる。口笛を吹くことができない。
鼻唇溝 左麻痺側の鼻唇溝(ほうれい線、鼻から出て口の横を走る皺)が消えている。
涙腺 涙が流れ出る。しかし、眼が乾燥する。乾燥すると眼がピリピリと痛い。それで眼帯をしている。

病院の治療では良くならないことが分かり、当鍼灸院に来院した。元来、顔面麻痺はステロイド剤で治癒するものではない。

4.治療結果

(1回目) 脈診と腹診、および問診等から体と病、および経絡の「陰陽虚実」を診て治療方針を決定。鍼で経絡の気の調整を行い、治療を開始。
(2回目)前回の治療後、1回の治療で早くも効果が出て顔が楽になった。左顔面の麻痺が少し良くなっていた。口から水がこぼれ難くなった。今回の治療も同じ方針で行った。以降、同じ治療方針。
(4回目)患側の下瞼が緩んで垂れ、眼瞼が少し開いている。それで涙が流れ落ちる。まばたきも減少して、涙を眼全体に届けられないので眼がチカチカする。左の鼻孔から鼻汁が流れ落ちる。しかし、口角は少し上がった。
(6回目)左眼の内側を押さえるとチカチカして痛い。左眼外側は涙が流れそうになる。額の皺が作れ、口から水はこぼれなくなった。鼻汁も流れる量が少なくなった。
(8回目)涙は流れるようにでている。しかし、まばたきが少ないためドライアイになっている。
(11回目)涙が垂れなくなった。耳の後ろの痛みがなくなっていた。
(12回目)口の中心が顔の中心によってきた。
(17回目)顔面麻痺の症状は、以下のように殆ど完治した。

症状 治療結果
眼をキュッと強く閉じれるようになった。兎眼はない。下瞼の下垂もなくなった。
額の皺 額の皺を強く作れる。
口唇 水が口から漏れることは全くない。
鼻唇溝 はっきりでている。
涙腺 眼が乾燥することもない。

今回で経絡の変動がなくなった。治療を終了した。

 

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脈診経絡はり治療専門
あん鍼灸院

香川県高松市木太町1247-11
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