2型糖尿病/頭痛【治験例2】|あん鍼灸院

更新日:
1型糖尿病

1.主訴

2型糖尿病(食後高血糖症)/頭痛

2.患者様

40歳代前半 女性

3.現病歴と症状

1)頭痛

2ヶ月前から頭痛が起こり出した。こめかみがズキズキし、目の奥が痛い。午前5時頃、頭痛が起こり出し、午前6時半くらいに鎮痛剤を服薬している。午前11時、さらに午後6時頃に頭が痛み出す。1日3回、服薬している。鎮痛剤は欠かせない。これは「偏頭痛」で、後頸部から頭部にかけての筋膜の凝りからくる「緊張性頭痛」ではない

2)2型糖尿病(食後高血糖症)

食後血糖値が血中150~220mg/dlくらいに上昇する(食後2時間後血糖の正常域;140mg/dl未満、空腹時血糖の正常域;100mg/dl未満)。食後高血糖体質になっている。HbA1cは5.6~6.0で正常である(正常域;6.5以下)。糖尿病が多い家系という。

東洋医学の鍼で治したいと来院されました。

4.治療結果

(1回目)脈診と腹診、および問診等に基づいて、鍼術を以て経絡に対し気の調整を行なう。

(2回目)早くも治療翌日の昼頃から頭痛がなくなった。今も痛くない。

(6回目)目の奥が痛み出しそうになるが、すぐ治る。

(15回目)頭痛がまた出てきた。しかし、今回のみで、それ以降、頭痛が消失している。しかし、眩しいというので瞳孔の左右差を診た。そうすると瞳孔の開きが左右で差がある。小学5年生からあり、患者様自身で気づいたのは20歳頃である。ピントを合わせにくい。トンネルを抜ける時に眩しい。テニスのボールをスマッシュしようとした時、室内の天井からの光でボールが眩しくぼやける。「散瞳」である。片方の眼の瞳孔が開いたままになって眼に入ってくる光の量を調節することができにくく眩しく感じる。

(21回目)散瞳による眩しさを感じなくなった。ピントも合わせやすくなった。

(26回目)月経直前から前半にかけての生理痛がなくなった。これまで月経1日目がもっとも痛かった。

(31回目)HbA1cを測定したところ、6.0であった。正常である。

(33回目)他の自覚症状が、次第に減少している。

(39回目)食後血糖値(昼食2時間後)が150~220mg/dlとまだ高いが、その他の症状は全くなくなった。

(41回目)食後高血糖以外の全ての自覚症状も脈の変動もなくなった。根本治癒が近い。

(43回目)食後2時間後血糖値が110~120mg/dlに低下した。脈の変動は4回続けて平常(血液が層流をなして流れている)を維持している。図1を参照すると、食前血糖値(青色折れ線グラフ)は血中110mg/dl付近を推移して安定している。当初、昼食2時間後の血糖値は150~220mg/dl付近にあり、食後高血糖体質をあらわしていた。42回目の治療以降、図では3/16~19にあたり食後2時間後血糖値は、ほぼ110~140mg/dlに低下している。食後血糖値が正常になりつつある。このデータは患者様ご自身が昼食前後の血糖値を測定したものです。患者様がいうように、家系に糖尿病の人が多いということで、その体質を持っていた。つまり、将来、糖尿病になる可能性が高かった。これまでの体質改善治療で『根本治癒』ができているので、将来、それはないと言える。

(図1.食前・食後血糖値の推移)

(44回目)4/18、1ヶ月後の治療。体調はすこぶる良い。頭痛はずっと起こっていない。体重が1ヶ月前から2Kg減少した。症状は何もなくなり根本治癒していると考える。本日で治療を終了した。今後、1ヶ月毎、3ヶ月間チェックを続け、さらに半年後に1回、脈チェックをする予定です。

(45回目)5/10、2ヶ月後の治療。患者様に昼食前および昼食2時間後の血糖値などを測定していただいた。昼食前血糖値(午前11時)は111mg/dl、昼食後2時間後血糖値は136mg/dlであった。夕方17時は97mg/dlであった(図、5/10参照)。

(46回目)4ヶ月後。症状は何もなかった。HbA1cは6.0であった。

(48回目)6ヶ月後。症状は何もなかった。

(50回目)11ヶ月後。HbA1cは5.9であった。症状はない。脈状は全て変動がない状態が続いている。約1年間、症状の変化を検証したが何もない。根本治癒している。治療を終了した。

以上

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脈診経絡はり治療専門
あん鍼灸院

香川県高松市木太町1247-11
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