高尿酸血症(痛風)/膝痛/高血圧症【治験例1】|あん鍼灸院

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高血圧症

1.主訴

高尿酸血症(痛風)/膝痛/高血圧症

2.患者様

30歳代後半 男性

3.症状と現病歴/治療結果

病名と治療結果一覧

病名  症状と現病歴 治療結果
膝痛 膝を曲げ伸ばしすると、両側の膝内側が痛む。疲れてくると膝後面が痛む。26歳の時にスノーボードの最中、膝をひねって痛くなった。それ以降、冬になると痛む。仕事柄、一日中、座位(あぐら)で仕事をしている。この姿勢を続けると痛くなる。立ち上がれないくらい痛くなったことがある。特に、正座や小走りをした時650に痛む。 仕事や運動をしても膝関節の痛みが全くなくなった。それが5ヶ月間、続いている。
治癒
高尿酸血症(痛風)  健康診断(1年前);尿酸値=7.7mg/dl  (正常基準値2.1~7.0mg/dl )。上限値7.0を超えている。 6.8⬇
<正常>
治癒
高血圧症 大学生の頃から高めの数値が出ていた。
治療開始当初は144/99mmHg(最高血圧/最低血圧)であった。
高血圧症(WHO基準);最高血圧140mnHg以上か、最低血圧90mmHg以上のいずれかに該当する場合をいう。上記の場合、軽症高血圧に分類される。
132/86
(mmHg)
<正常>
治癒
腱鞘炎 仕事で指を使いすぎると母指と示指の間が痛くなる。 治癒
内熱 体が火照る。 治癒

4.「高尿酸血症」の病因究明

4-1.生物の窒素排泄方法

生物が「不要な窒素化合物」を体外へ排泄する手段、それが『尿』である。

排出時の最も簡単な窒素化合物は『アンモニア』2-3)で、その手段を用いているのは硬骨魚類。ヒトなどの哺乳類、両生類、軟骨魚類はもっと無害な『尿素』2-2)として貯めた後に尿素水溶液として排泄する。

鳥類や爬虫類の多くでは、『尿酸』で排出する。爬虫類や鳥類の糞に含まれる白い部分は、非水溶性の固体で、これが目にする『尿酸』1)です。

これらが、生物の「不要な窒素化合物」を排泄する手段です。

 

4-2.尿酸・尿素・アンモニアの化学構造式

1)「尿酸」化学構造式

 

 

 

 

 

2)「尿素」化学構造式

 

 

 

3)「アンモニア」化学構造式

NH3

4-3.「尿酸」と「尿素」の関係

両者の関係を水への溶解度で説明するのは、十分でありません。『尿酸』と『尿素』の関係が大切で、それを論じましょう。

あまり知られていませんが『尿酸』はビタミンCよりもはるかに強力な「抗酸化物質」であり、体内で生じた活性酸素を捕捉するため一定量、存在することには大きな意義があります。実は、ヒトの血中に最も高濃度で溶解している抗酸化物質(還元剤とか酸化防止剤ともいう)は尿酸であり、ヒト血清中の抗酸化物質全体の約半分を占める。尿酸は、運動ストレス時の抗酸化物質として作用する報告もある。つまり、尿酸はなくてはならない必要な物質です。ヒトは、食事から取り入れたタンパク質などの窒素のうち、最終代謝物に近い『尿酸』は尿素回路を通って酸化され、水溶性の『尿素』の形にして尿中に排泄される(成人は尿素を1日 30 g ほど排泄する)。

 

4-4.高尿酸血症の病因は『尿酸の酸化ができにくいこと』

鳥類は飛ぶのに大量の酸素を筋肉で消費するので酸欠状態になりやすい。そのために鳥類は『尿酸』を『尿素』に化学変化させる酸素が不足するので、『尿酸』の形で排泄すると考えられる。爬虫類は、魚類から変化した生物で陸上での肺呼吸はそんなに上手ではなく『尿酸』で排泄する。なお、軟骨魚類は、浸透圧調節のため、別途、『尿素』も体内に蓄積しているそうだ。昆虫である蝶は窒素化合物を動物の尿から摂取する。友人の広島大学本田名誉教授が研究をされ学会に投稿している。排泄するものがいれば、それを摂取するものもいる。自然はうまく循環型になっていると思う。一種の生物である人間は、この循環を壊さないことが大切と思う。

さて、ヒト体内の代謝排泄物質である『尿酸』が、最終代謝物質である『尿素』に化学変化されないのが、高尿酸血症の病因です。その化学変化させるために必要なものは『酸素』です。つまり、一つには体に取り込むべき酸素が不足しているのが原因です。これは生化学の窒素代謝から見ても、化学反応から見ても明らかです。尿酸は強力な還元物質、すなわち抗酸化物質だと先に述べました。『尿酸』が『尿素』に化学変化されるには「酸素」を増やし、低下している酸化する仕組みを復元する必要があります。酸素を体内に取り込み、代謝されてきた尿酸を酸化させて尿素に化学変化させる体質に戻すことが、この病の根本治療法です。

一般には、臓器は正常で、それをきちんと動かすソフトウエア、すなわち制御システムが損傷しています。その制御システムとは、経脈です。経脈に流れる気、電気が正常に流れていません。これを気の変動、詳しくは『気の動態平衡の変動』と言います。これを制御することが、すなわち、これらの病を根本的に治すことです。

 

4-5.現代医学での原因(参考)

尿酸の血中濃度が、異常に高くなる原因は、筋肉運動が尿酸値を上昇させると言われている。特に、短時間の激しい運動(無酸素運動)は一時的に急増する。

(出典;MSDマニュアル(メルク社))

 

4-6.治療による尿酸値の推移

以上

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脈診経絡はり治療専門
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