花粉症【治験例4】|あん鍼灸院

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花粉症

1.主訴

花粉症

2.患者様

60歳代前半 男性

3.現病歴と症状

1)現病歴

転勤で関東に移住したところ、3年目の32歳から鼻炎と目のかゆみが始まったという。当初は、なんとか凌いでいたが、マスクなどでは防ぐことができなくなった。それ以降、薬で症状を緩和してきたという。通勤や外出から帰宅したときには花粉を落とし家に入り、衣服に花粉がつかないような服の生地選びもしている。さらに、外出後は鼻と目を洗浄している。アレルギー反応のある花粉はスギとヒノキで、関東では1月下旬からスギ花粉が大量に飛び出す。それ以降、4月末までは花粉との戦いだそうだ。

2)症状

(a) 鼻水が激しく、垂れるほど止まらない。

(b) くしゃみが激しく出る。

(c) 目が痒く充血する。就寝後は目を閉じるために、非常に目が痒くなり眠れない日もある。

(d) 口の中(上顎)が痒くなることがある。

3)服薬

薬は当初、1日に1/4錠、次第に1/2錠、最近では1錠を就寝時に服薬している。それより多くの量の薬、それ以外の服薬時間では、次の日の仕事に差し支えるくらい薬の副作用に悩まされてきた。色々な抗アレルギー剤を使用したが、体のだるさ、眠気など日常や仕事にも支障をきたしていた。新薬も試してきたが体に合わず、そのなかで副作用の少なかった旧来のニポラジンを服薬している。服薬しても症状はすっきりせず、この花粉時期は辛い。

東洋医学の鍼で、30年続く花粉症を根本的に治したいと来院されました。

4.治療結果

(1回目)11月なので花粉症の症状はない。翌年の2月初めの花粉飛散時までには治癒していることを目標に治療を開始した。2ヶ月半の期間でほぼ治癒していることを目標とした。

脈診と腹診、および問診等から体と病、および経脈十二経の「陰陽虚実」を診て治療方針を決定した。東洋医学の治療方針に基づいた鍼で経絡の気の調整を行なう治療を開始。病は「体質改善」して根本的に治すことが鉄則だと昔から言われています。病にはそれを引き起こす「病因」が必ずあり、それを取り除くことが「体質改善」です。

鍼は皮膚に0.1~0.2mmほど刺して気の調整を行う。しかし、刺した感覚はなく、接触した感覚がある。皮膚の表面から0.1~0.2mmほどの深さに鍼をする。その付近で気を補ったり、気の滞りを流したり、気の働きを妨害する邪気を取り除く。この経絡の「気の調整」が鍼術の特徴です。ツボに鍼を刺しただけでは、症状を一時的に和らげることはできるが、根本治癒はできません。

(5回目)鍼治療は1回目と同じ治療方針を継続している。

(25回目)1月下旬になった。通年ならば、そろそろ花粉症状が出てくる時期である。しかし、花粉症状は、まだ出ていない。

(27回目)2.5ヶ月を経過した。戸外に出て庭木の剪定をしたところ、目に何か入ったような感じはしたが、痒くはならなかった。鼻水もくしゃみも全く出なかった。「あれ!花粉症状が出ない」と思ったそうだ。例年ならば、この時期は外で活動することが多く、花粉症状に悩まされてきた。まだ花粉症状は、まだ出ていない。

(28回目)2月初旬。花粉症状は、まだ出ていない。これまで30年間、こういうことはなかった。

(30回目)2月下旬。前日、庭いじりを2時間くらい行ったそうだ。外に長くいたが、目の痒みや鼻炎の症状は起こらなかった。ただ、作業後は目と鼻を洗ったとのことでした。ドライアイのような感じになることはあるが、それは短い時間で治るという。3月上旬が花粉の飛散ピークになるので、その時期の結果をみることとした。

(31回目)3月上旬。ベッドパッドを屋外で干してパタパタと花粉をはたいて眠ったが、夜4時ごろに目が痒くなったという。それ以前に症状は出ていない。

(33回目)3月中旬。気象台によると今日は花粉飛散量が「大変多い」とあったが、症状はない。

(34回目)3月下旬。症状はない。今年は、全般的に花粉が多いことを加味すれば、確実によくなっていることがわかる。脈状はまだある。

(37回目)4月上旬。症状のない日がずっと続いている。花粉の量が非常に多い日が続いていたが、花粉症の症状はない。公園に行ったが目や鼻の症状は出ていないという。大変気持ちが良かったという。

(38回目)4月終盤。症状はない。花粉はまだ飛んでいるが量は減少している。脈診で花粉症を示す脈状の当初の変化は消え、脈の変動はなくなっている。そこで、治療を終了した。根本治癒したので翌年の花粉症状は起こらないとみる。

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脈診経絡はり治療専門
あん鍼灸院

香川県高松市木太町1247-11
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