1.主訴
顔面麻痺
2.患者様
50歳代後半 男性
3.現病歴と症状
1)2週間前に発症。右眼が閉じれなくなった。前日には耳の後ろ、右下顎、こめかみが痛かった。このところ、睡眠時間4~5時間が続いていた。
2)翌日、脳外科医院にいった。脳外科医院は耳鼻科医院を紹介した。耳鼻科医院は総合病院を紹介した。総合病院に行ったところ「右側顔面神経麻痺」と診断された。治療はステロイド剤を服用した。2週間、治療を続けても麻痺が治らなかった。神経の検査をしたところ、60%の神経は動いていると診断された。後1ヶ月程で自然に治ると言われ、治療を終了した(どういうことでしょう)。その後も治らず、当院に治療に来られた。
次の症状があった。
発症部所 | 症状 |
眼 | 右麻痺側は、完全に瞼を閉じることが出来ない。眼を閉じようとすると眼球が上に向く(兎眼)。 |
額の皺 | 額に皺を作ろうとしても右麻痺側に皺が出来ない。 |
口唇 | 右麻痺側の上下口唇間が閉まらず、さらに口角が下がっている。水を飲むと口から少し漏れる。口笛を吹くことができない。 |
その他 | 仕事での会話が辛い。また、パソコンをすると疲れる。 |
4.治療結果
(1回目) 脈診と腹診、および問診等から体と病、および経絡の「陰陽虚実」を診て治療方針を決定。鍼で経絡の気の調整を行い、治療を開始。
(2回目)前回の治療後、1回の治療で早くも効果が出て顔が楽になった。右顔面の麻痺が少し良くなっていた。口も楽になった。
(3回目)額の皺や兎眼が解消した。
(4回目)口唇が左側に引っ張られていた(右側は麻痺)のが軽くなった。その結果、上下口唇の位置がそろってきた。さらに二重瞼になってきた。口の中に水を含んでブクブクできるようになった。食事をするのが大変楽になってきた。他の症状は殆どなくなってきた。
(6回目)口に水を含んで口内に力を加えると、口から水が少し漏れる程度の状態に治った。顔面麻痺の症状は、なくなった。治療を終了した。
病院での治療は、ステロイド剤の投与です。しかし、これでは「顔面麻痺」を治すことができません。ご自身の治癒力だけでも良くなりますが、かなりの方に後遺症が残ります。口角や眉、瞼が片側だけ下がっている方を見かけますが、これらは後遺症です。目に見えなくても、唾液がでないとか、涙が出なくてドライアイになっているとか、逆に涙が流れる、食べ物を噛むと涙が出る、頬が引っ張られるなど日常の生活に支障をきたしている方が多いように思います。発症当初はあわてて病院へ行くと思いますが、すぐに当院の鍼治療をお受けください。鍼治療が、最も確実で安全です。電気パルス治療や電気通電鍼は病院や鍼灸院の一部で行われている治療ですが、これが顔面麻痺を悪化させるのは現在、常識です。治療が不適切で、慢性化して後遺症が残っている方も遅くはありません。発症から時間が経つ程、治る速さは遅くなりますが、鍼治療で治癒します。
また、『顔面麻痺』が「鍼治療」で完治することも常識です。