『不眠症』【治験例】|あん鍼灸院

更新日:

1.主訴

「不眠症」

2.患者様

40歳代前半 男性

3.現病歴と症状

1)眠いのに布団に入ると、頭がはっきりして眠れない。眠りに入っても直ぐ目が覚め、眠りが浅い。1年前から心療内科に通院している。病院からは睡眠導入剤が出て、ずっと服用している。しかし、服用しても眠れない時がある。薬に頼ってきたが、薬を飲まなくても眠れるようになりたいと来院した。

2)同じ時期から胸付近が熱くなり、肩から腕内側にかけて、さらに手まで冷える。

3)血圧は130/90mmHgと正常だが、脈拍数が100回/分と頻脈である。

東洋医学の鍼で病を根本的に治したいと来院されました。

4.治療結果

(1回目)脈診と腹診、および問診等から治療方針を決定した。治療方針に基づいて、鍼術で経絡の気の調整を行なう。病は「体質改善」して根本的に治すことが鉄則だと2千年前から言われています。病にはそれを引き起こす「病因」が必ずあり、それを取り除くことが「体質改善」です。

鍼は皮膚に非常に浅く刺して気の調整を行う。しかし、患者様に鍼を刺された感覚はありません。そこで気を補ったり、または取り除いたり、気の滞りを流したり、気の働きを妨害する邪気を取り除く、この「気の調整」が当院の最大の特徴です。肘から先の経穴(つぼ)と膝から下の経穴を使い、皮膚全体に広がる気のネットワークの「動態平衡」を修正し、生命を統制します。この患者様の『不眠症』は「睡眠」と「覚醒」の平衡が崩れています。鍼術は経穴に鍼を刺して抜くだけでは、症状を一時的に和らげることはできても根本治癒は難しい。根本治癒には「気の調整という鍼術の手技」が必要で、施術者の身体を通して指から患者様の体に作用します。鍼はあくまで、その精巧な連絡橋です。

(2回目)すでに、ほてりと冷えの症状が弱まった。しかし、睡眠状態は変わらない。

(6回目)薬が半錠でも眠れるようになったという。ほてりや冷えは無くなった。
(8回目)服薬しないで眠れる日があるようになった。不眠の程度が、30~40%に減った。血圧が130/90mmHg、脈拍が100回/分と高めだったが、病院で検査したところ、このところ109/60台mmHg、脈拍80回/分に下がっていた。

(10回目)睡眠時、寝つきが良くなり、ほぼ眠れるようになってきた。服薬を中止している。他の症状も無くなってきた。

(14回目)毎日、薬なしで眠れるようになった。

(15回目)眠れている。脈診では、脈状の変化が消えつつあり平坦になってきた。

(17回目)症状は全て無くなった。脈診での脈状の変化は、3回連続で無くなっていた。根本治癒したと考え、治療を終了した。

このように、『不眠症』が根本治癒すれば、同時にこの同じ原因から出ている症状も全て無くなります。どれがいち早く解消するかは身体次第で分かりませんが、ほぼ無くなります。この治験例も同様で、記載していない他の症状も全て無くなり、患者様にとって何もない状態が続いています。

以上

実績/症例から探す

タイトルとURLをコピーしました