赤面症【治験例】| あん鍼灸院

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1.主訴

赤面症

2.患者様

40歳後半 女性

3.症状と現病歴

表1.症状と現病歴

病名 症状と現病歴
赤面症 (主訴) 仕事中、お客様から急に話しかけられるとカーと赤面する。特に顔、耳が赤く熱くなる。その時は、全身も赤くなる傾向にある。初回の問診時は少し顔に赤みがあった。人前で赤面したらどうしようと不安になると言う。
動悸 特定の人と対面し赤面した時には、心臓がバクバクと動悸する。
月経周期異常 半年間、月経が止まっている。元来、月経血が少ないという。
辛いものを欲する 食事に生姜、茗荷、香辛料を多く摂る。美味しいという。また、玉葱やトマト、人参も好きでたくさん摂っている。香辛料を食すると翌日にほてりやすい。

 

4.「赤面症」とは

1)症状

赤面症は、一般に社会不安症として捉えられています。社会不安症とは、初対面の人と会うとか、人前で話をするときなど対人状況で生じる恐怖や不安の症状だと言います。

しかしながら、初対面の人に会ったり大勢に人の前で話そうとすると、声が震えたり赤面したりすることは誰しも経験した事があるでしょう。この患者様は、特定の人に会うと赤面してしまいます。その相手の方に好意を持っているわけでもなく、大体、声が大きい人というのがこの患者様の捉え方です。

更に、食事の傾向が辛いものを好んで食するという特徴を持っている。東洋医学では呼吸に関している。

2)原因

赤面症とは、赤面時は患者様が緊張して『酸素不足状態』に陥っていると考えています。心臓が多くの血液を全身に送ろうとする為に、血管が拡がり赤面すると考えて良い。緊張時に赤面しやすいことにも通じる。嫌な人、苦手の人が来ると緊張して血圧も下がります。そうすると心臓は頻脈にしてドキドキと血液を送るようになる。それで特に顔面が赤くなる。そういう時は全身、赤くなっている。だから、深呼吸をすれば、一時的に赤面は軽くなる。この患者様も全身に、特に上半身がほてり赤みがかかっている。

曇りや雨天の時は、赤面しにくいと患者様は言う。これは気圧のことを考えれば納得できる。低気圧になるとヒトの体の中の圧力も低くできる。そうすると、心臓から血液を全身に送りやすい。そのため酸素不足ということが避けられる。それで赤面しなくなる。

赤ちゃんは何故、生まれた時に赤いのか?という問いも考えてみよう。

生誕時に初めて外界の空気というものを自身の肺に取り込み、身体中に酸素を運ばなくてはならない。そのために泣き叫ぶことで、心臓から大量の血液が全身に運ばれ、全身が赤くなります。それで赤子とか赤ちゃんという。

5.「赤面症」の治療結果

病にはそれを引き起こす「病因」が必ずあり、それを『治す』ことが『体質改善』です。脈が正常になるまで鍼術で体質改善を続けた。その治療経過を以下に示します。

表2.治療結果

経時 治療結果
半年間、来ていなかった月経があった。施術した途端に顔色が桃色から白くなった。コロナ以降、無かった月経が来て、これ以降、毎月28日周期の正常な月経に戻った。
今週は赤面症も動悸も起こらなかった。
生理痛と頭痛が無くなった。ほてりがあり、話しかけられて少しカーと熱くなったが、精神的には落ち着いていたと患者様は言う。
耳も熱くならず、赤面は起こっていない。
対人で赤面症は起こらなくなった。ほてりが少しある。しかし、月経がまた、止まった。
先月から体と気持ちが軽くなり、何かが抜け落ちた感覚があり、自分の中に赤面という概念がなくなったと言う。気にならない。気持ちがフラットな感じで安定していると言う。対面も何の問題がなくなった。

月経もあるようになった。

脈が安定してきたので、1ヶ月に1回の治療に切り替え終了した。治癒。

以上

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脈診経絡はり治療専門
あん鍼灸院

香川県高松市木太町1247-11
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