『花粉症・顔の浮腫』【治験例3】|あん鍼灸院

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1.主訴

花粉症/顔の浮腫・頭痛

2.患者様

40歳代後半 女性

3.現病歴と症状

1)ゴルフや山登りなどをするたびに顔の浮腫が起こる。さらに顔の筋がピクピク動く。顔の浮腫は、顔が凸凹になるほど激しい。この時、顔に汗は出ず、体、特に背中から出る。体が冷えてくると顔の浮腫は消える。顔が浮腫むと母指以外の4本の手指の先が痺れてくる。

2)頭痛が大体、生理の前に起こりやすい。主に前頭部に起こり、眉間や目の奥が痛い。うつむくと、なお痛い。

3)花粉症がある。毎年2月から6月まで鼻水が出るとともにくしゃみが激しい。薬とマスク、サングラスが手離せない。

4)やや低血圧症である。収縮期血圧は100mmHg、拡張期血圧は60mmHg程度である。

4.治療結果

病気にはその原因『病因』が必ずあります。その病因を治すことが治療目標で、その手段として全身の経脈の気(エネルギーの流注)を調整することを『体質改善』といいます。とかく、病気の「結果」を「原因」と捉える傾向があります。例えば狭心症では、「原因はこの血管の閉塞だから血管にステントを入れて広げましょう」と言われるようですが、これは病気の結果であって原因は他にあります。そこまで病気が進行すれば対処的にそういう処置が必要ですが、症状の少ない段階で原因を治せば血管は元の状態に戻ります。これが東洋医学です。
さて、治療経過です。

(1回目)治療開始。脈診と腹診、および問診等から体と病、および十二経脈の「陰陽虚実」を診て治療方針を決定した。顔の浮腫は、汗が出る汗腺(東洋医学では皮毛)に求心性の力が働き、器官が締め付けられて汗が外に出にくくなっているために起こる。運動をすると顔から汗が出ず、顔に溜まり凸凹に浮腫む。治療方針は、この求心性の力を弱め遠心性の力を強めることです。

(3回目)治療方針は同じ。咳が止まらなくなる時がある。恐らく、喉が一時的に収縮する、すなわち求心性の力が働くためと考えられる。

(9回目)久しぶりに山登りをしたが、顔の浮腫が起こらなかった。顔から汗がでていた。治療の効果が出ている。汗腺の収縮が緩んできた。

(11回目)咳が止まった。また、ゴルフの時、顔から汗が出るようになり顔の浮腫が明らかに少なくなった。

(13回目)山登りをした。顔から汗がたくさん出て、顔の浮腫はほとんど起こっていない。
(17回目)さらにゴルフをしたが、今回、暑くて水をたくさん飲んだにもかかわらず、全く顔が浮腫まなかった。2年ぶりの体調の良さを感じた。運動後の顔の浮腫は治癒した
(21回目)生理の後、水様便がでた。5、6回続けてあった。お腹は張っていない。頭痛もある。
(23回目)下痢がなくなった。
(28回目)仰向けになると目がぐるぐる回る。めまいがある。
(31回目)35度台の低体温だったのが、36度前半に上がってきた。
(33回目)ところが、2月下旬初めて、患者様に花粉症があることを知った。今年、花粉症が軽いとのこと。毎年、鼻がズルズル出ていたが、今はない。しかし、くしゃみはある。
(36回目)花粉症がすこぶる良い。全く鼻水が出なくなった。ゴルフをしても花粉症の症状は出なかった。毎年2月から6月までは鼻がぐずぐずして鼻水とくしゃみが出ていた。今年は2月から薬を全く飲んでいないのに、5月初め、花粉症の症状はない。花粉症は完治していたさらに低血圧で100/60mHgほどであったが、120/70mmHgに上昇した。同じ装置での測定である。さらに、めまいがなくなっている。
(40回目)頭痛がずっとない。血圧が120~130/70~80mmHgに上がり、低血圧から正常血圧になった。いずれの病も脈の変動がなくなっていた。

(41回目)治療終了

以上

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脈診経絡はり治療専門
あん鍼灸院

香川県高松市木太町1247-11
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