不妊症【治験例40】 | あん鍼灸院

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不妊

1.主訴

不妊症

2.患者様

30歳後半

3.症状と現病歴

病名 主な症状と現病歴
低温期の基礎体温が高い 基礎体温曲線はニ相になっている。しかし、全体的に基礎体温が高く低温期が36.5〜7度を呈している。
子宮内膜ポリープ 摘出手術をしている。
月経期間が長い 月経が8日間と長い。月経血も多い。
全身の皮膚乾燥 全身に皮膚乾燥があり、カサついている。

 

4.「低温期の基礎体温が高い」ということ

ヒトの基礎体温は、卵子を丁寧につくる低温期と、授精後の細胞分裂を盛んに行い胎児を育てる高温期が排卵を挟んで形成されます。基礎体温は簡単にご自身の性周期を知ることができるとともに、その曲線が綺麗に二相を形成できているか否かで、現在、妊娠ができる体質であるかを伺い知ることができます。

基礎体温曲線が全体に高い体質とは、例えば低温期でも36.7度以上あるとか、高温期はもっと高く37度を超えている様な場合です。基礎体温曲線が全体に低い体質は、例えば低温期で36度以下、高温期でも36.7度に達していない様な場合です。また、低温期と高温期の差がなく二相を形成できていない場合、さらには、基礎体温のばらつきが激しく、高温期なのか低温期なのかがわからない様なこともあります。これらの場合、妊娠がなかなかできません。そこで、当院の治療は、この場合、変動した体温調節機能を鍼術の気の調整で修復し、正常な基礎体温曲線に戻します。

病院では、基礎体温を毎日、測定する様な指導はほとんどありません。それは、ホルモン剤の投与を行っていて、基礎体温がホルモン剤によって左右され、患者様の本当の基礎体温を測定できないからです。病院でも稀に真の基礎体温でなく、仮の基礎体温だと説明されている様です。ですから、基礎体温は、ホルモン剤を服用していない状態で測定しなければなりません。一度、服用するとその次の月まで影響します。当院ではその重要さを理解いただいて、毎日の基礎体温を測定していただいています。

5.治療結果

この患者様の初診時の基礎体温曲線を図1.の青色の折れ線グラフで示します。二相の内、低温期は36.7度付近を上下しています。基礎体温の低温期としては高い。一方、高温期をみてみますと37.1度を超えています。基礎体温曲線全体として体温が高めです。これが妊娠できない主な原因です。

図1.基礎体温曲線(横軸は月経からの日数、縦軸は基礎体温)

そこで、正常な基礎体温曲線を作れるように体質改善を鍼術で行いました。高温期の基礎体温が下がり出して3ヶ月目に自然妊娠がわかりました。以下、概要を述べます。

 

週目 状態 備考
19日目 妊娠判明。 その時の周期の基礎体温曲線は図1.の緑色の折れ線グラフです。低温期は36.5度前後を形成し、高温期は36.9〜37.0度を形成していました。理想的です。大きな改善点は低温期の基礎体温が0.2度低下したことです。これによって、卵子は正常につくられたと思います。
9週目 病院で胎嚢は20ミリに成長していると診断された。
11周目 胎児は19.6ミリ、心音が聞こえた。
20週目 205グラムに成長した。 病院で胎盤が子宮入り口近くにある低置胎盤と診断された。出産は帝王切開になると言われた。
6ヶ月目 419グラムに成長した。この時、逆子になっていると診断された。 そこで2回続けて灸をした。
31週目 逆子が治った。助産師外来で診てもらった。赤ちゃんが動いている。 病院で低置胎盤は変わらないと診断された。帝王切開を勧められた。
34週目 2100グラムに成長していた。 病院で低置胎盤は治っていると診断された。自然分娩で行う予定。
36週目 2600グラム。 治療を終了した。

以上

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脈診経絡はり治療専門
あん鍼灸院

香川県高松市木太町1247-11
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