1. 主訴
不妊症/無月経・無排卵
2.患者様
30歳代後半
3.現病歴と症状
1)20歳始めの頃、ダイエットをしたところ、生理が止まった。22歳の頃、病院を受診した結果、ホルモン剤を注射したり服薬しないと月経が起こらなくなっていた。
2)3年前に結婚、不妊治療を開始した。2年前にホルモン療法で妊娠した。しかし、35週目、早期胎盤剥離で死産となった。1年前には4週目で流産した。同年、人工受精を2回行ったが、妊娠できなかった。
3)卵胞ホルモンは通常値であるが、黄体ホルモンは低値である。LHサージがなく排卵ができていない。病院では、排卵を起こすのに投薬している。1~2年前は毎日のホルモン注射が必要だったが、今は1日置きに4~5回、それをすれば排卵ができるようになったとのことです。
4)基礎体温は低温期と高温期の区別が明確でなく、期間内でばらつきがある。問題が大きい。
5)冷え性で下腿部と臀部が冷たく、足先がより冷える。
6)今後は体外受精移殖を希望されている。
このような背景のもと、当院で鍼灸治療をしたいと来院されました。
4.治療結果
(1回目)脈診と腹診、および問診等から治療方針を決定。鍼で全身の経絡調整を行い、治療を開始した。
(3回目)自宅での灸治療を加えた。病院での検査にて、両方の卵巣が5cmに腫脹していた。排卵誘発剤の卵巣過剰刺激が原因と思われる。月経前の痛みが激しい。
(7回目)冷え性がましになり手足が温かい。鍼治療の治療方針は継続している。治療開始からこれまでに排卵誘発剤を使って2度、排卵を起こしている。
(9回目)3日前に月経があった。これ以降、ホルモン注射を中止した。服薬は継続している。
(13回目)鍼の治療方針は継続している。この日の5日前、月経があった。周期28日目であった。これまでは30日位の周期であったが、少し短くなった。30歳前半には、たまに自分の力で月経があったが、不妊治療を始めてからは排卵期も分からない。
(16回目)服薬を中止している。現在、すべての投薬を体質改善優先の為に中止している。基礎体温が2相にはっきりと別れていない。高温期でも基礎体温が36.1度しかない。基礎体温は低温期状態のままで、さらにばらつきがある。月経も1ヶ月半の間、まだ来ていない。この4日後、月経がきた。50日目だった。排卵はなかったようだ。
(18回目)月経から10日後、再度、出血があり、4日間続いた。別の病院に変更し、検査にゆく。超音波検査をしたところ「卵が何個か成長している、そのうち1個は排卵したようだ」との診断結果だった。即ち、不正出血ではなく、排卵であった。服薬も注射も全くしていない。その10日後、再度、診察を受けた。その結果、「自然排卵したことに間違いない」ということだった。血液検査も異常がなかった。「これまで、生理は薬を飲まなければ起こらなかった、薬を飲んでも排卵がうまく起こらなかった。」と患者様。
(20回目)治療の前日、月経が起こった。鍼治療は同じ治療方針で行っている。
(21回目)基礎体温は低温期中で36.3~36.4度。腰の冷えが楽になった。
(23回目)4日前、病院に検診に行ったところ、「2月17日か18日に排卵していますね」と言われた。これで2回連続の排卵であった。現在、高温期5日目。基礎体温が37度に上がった。患者様は「凄い、今度も自然で排卵できた。嬉しい。」と驚いていました。
(24回目)高温期2週目。高温期と低温期がきちんと2相になってきた。これは、今までなかったことだ。脈は大変良い状態で、反応も良かった。
(25回目)3月4日、病院で妊娠反応を確認できた。自然妊娠4週目でした。ドクターと患者様の会話でドクターから「これはあん鍼灸院のおかげだと思うよ」と言っていただいたのが嬉しい。
(27回目)赤ちゃんは2.5cmに成長。10週目に入った。過去に早期胎盤剥離があったので注意をして鍼治療を行っている。
(28回目)お腹が張る異常を訴える。下腹部腱の緊張を取ったところ、翌朝、治っていた。赤ちゃんは3.3cm、11週目で異常はない。
(32回目)治療最終日。16週目。脈は変動の少ない良い状態になっている。したがって、体質は改善され、2年前の早期胎盤剥離は、もう起こらないと考える。安定期に入れば施灸を開始するよう伝えた。これによって、安産灸になるとともに逆子も防ぐことができる。
一般的に妊娠確定後、12~16週目まで鍼灸治療をお勧めしています。
なお、当院では元気な赤ちゃんを生むために毎日の食事にも注意して生活をするよう、妊娠前、そして妊娠期のどの段階でどのようなものを食べたら良いのかを指導しています。
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脈診経絡はり治療専門
あん鍼灸院
香川県高松市木太町1247-11
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