1.主訴
味覚障害
2.患者様
20歳代前半 女性
3.現病歴と症状
1)扁桃腺炎の手術後、味が分からなくなった。手術は扁桃腺を切開して切除した。白いかさぶたがあったようだ。
2)手術の2週間後、仕事に復帰した。しかし、食事をしている時、シチューの味がわからなかった。チョコレートの甘さもわからない。ヨーグルトが苦く感じる。アイスクリームは甘さを感じず、粘土を食べているようだった。しかし、砂糖そのものの甘味は分かる。
3)口の中に食べ物がないのに酸味、苦味、甘味がする。
4)酸味・苦味・辛味・塩味は基本的に分かる。複雑な味はわかり難い。
3週間後、病院に行ったところ、「数ヶ月間、様子を見て欲しい。治療法がない」と言われた。味覚障害は、よく亜鉛欠乏症が原因と言われますが、サプリメントなどで亜鉛を摂取してもなかなか改善しない。この治験例は、扁桃腺炎の手術が味覚障害の原因であるとすぐ分かる。
このような背景のもと、鍼灸での治療をしたいと来院されました。
4.治療結果
(1回目)脈診、腹診、問診、切診などから治療方針を決定し、経絡治療の本治法(脈から読みとった変動している経絡に対して、気血を調整し体質を改善する鍼治療)を行った。治療開始。
(3回目)甘さが少し感じるようになってきた。
(7回目)甘みがさらに分かるようになってきた。口の中に何もない時の味に少し苦味があるが、当初より減少している。
(10回目)冷たい飲み物の酸味や甘みが分かるようになってきた。しかし、舌が痺れた感じがする。
(17回目)モンブランケーキやチョコレートが甘く感じるようになった。炭酸飲料は、以前、甘く感じなかったが、今は甘く感じる。しかし、冷たいアイスクリームは最初、甘みを感じるが、その後、感じなくなる。
(19回目)アイスクリームの甘みをずっと感じるようになってきた。
(22回目) 舌の中央から奥の方が、味に鈍感である。
(24回目) アイスクリームの甘さがはっきり分かる。口の中に何もない時の味も消えた。(終了)
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脈診経絡はり治療専門
あん鍼灸院
香川県高松市木太町1247-11
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