不妊症/弓状子宮【治験例31】|あん鍼灸院

更新日:
不妊症

1. 主訴

不妊症/弓状子宮

2.患者様

30歳後半

3.現病歴と症状

1)子宮底部が内側に少し凹み、子宮内腔がハート形をしている『弓状子宮』を呈している。

2)基礎体温は、高温期と低温期の二層を形成している。低温期は36.4度前後、高温期は36.8度前後である。

3)人工授精を1回、実施している。しかし、妊娠できていない。

4)疲れやすい。

5)月経前になると、上半身が熱っぽく火照り、下半身臀部から下が冷える。

6)胃もたれがある。

7)ドライアイがある。

8)花粉症がある。一年中、目がかゆく赤い。鼻炎もある。朝と就寝前が激しい。

鍼灸治療で体質改善し、妊娠を希望している。

4.弓状子宮

子宮は楕円形で、その内腔は逆三角形の形をしている。その逆三角形をした内腔の底辺部分が凹み、ハート型やウサギの耳型に変形したものを一般に双角子宮と言う。その変形度によっては、子宮底部が内側に少し凹み、子宮内腔がハート形をしているものを特に弓状子宮と呼ぶ。

東洋医学では、双角子宮のような子宮の変形は生まれつきの変形も中にはあろうが、ほとんどは子宮の中心に働く求心力(陽の力)によって子宮内腔の底部(子宮内膜が成長するところ)が中心に向かって凹んで変形したもので、後天的なものと考えます。
これらの一連の子宮変形はいずれも膣は一つで子宮内腔の変形度合の大小で表現方法が違うだけである。先天的変形と診るよりも子宮内腔の底部に求心力が働いた結果、ハート型からウサギの耳型(子宮口が二つのものも含む)に変形が起こった後天的な症状と診る方が理にかなっている。これを治療して妊娠ができる体質にすることが、この患者様に対する治療方針です。

.治療結果

(1回目) 脈診と腹診、および問診等から体と病、および十二経の「陰陽虚実」を診て治療方針を決定。鍼で全身の気の調整を行う治療を開始。よく体質改善と言われる。妊娠がなかなかできないのは、その原因となる病因が必ずあります。その病因を治すことが治療の目標です。
この患者様は「弓状子宮」を症状としてもっています。これは子宮に働く力のバランスが崩れ、求心力(陽の力)が大きくなって子宮底部が子宮の中心に向かって凹んで変形している。基本的に、この病因を取るために気を調整し体質を改善することが大切です。
(10回目)生理周期は25~26日である。上半身が熱っぽく火照っている。下半身臀部から下が冷えている。「冷えのぼせ」がある。生理2~3日前になる。
(14回目)前月、生理前に起こる「冷えのぼせ」が起こらなかった。

(16回目)月経があった。

(17回目)前日、病院へ行ったところ、排卵直前の状態で急に採卵をした。

(18回目)採卵から5日後、体外受精移植をした。治療方針は同じ。

(19回目)その後、月経がこない。着床していた。妊娠でした。

(20回目)病院の検査で胎嚢が見えた。つわりが始まり、激しいと訴える。同じ治療方針で続け

(21回目)赤ちゃんの心拍が見えた。つわりがあり呼吸がしづらくなり吐いた。

(23回目)赤ちゃんは問題なく、元気に成長している。10週目。

(26回目)つわりは少しあるが緩解してきた。14週目。弓状子宮が正常な子宮の形になっているかは不明である。赤ちゃんの成長に問題なく、患者様の希望もあり治療を終了した。

(その後、出産予定通りに元気な赤ちゃんが誕生したとの連絡をいただきました。)

以上

****************
脈診経絡はり治療専門
あん鍼灸院

香川県高松市木太町1247-11
****************

 

 

 

 

実績/症例から探す

タイトルとURLをコピーしました