離見の見(りけんのけん)【世阿弥】

世界は人間なしに始まったし、人間なしに終わるだろう

(クロード・レヴィ=ストロース)

途中から世界に現れ、やがて先に消えてゆく人類には、その世界に「修復不能な損傷を惹き起す、いかなる権利」もない。人類は世界の主(あるじ)ではない。世界の中で自分が占める位置を知るために、人類は自らの背後にもう一つの眼をもつ必要がある。その眼をフランスの民族学者は、のちに世阿弥の「離見の見」※に倣い「はるかなる視線」と呼んだ。『悲しき熱帯』(川田順造訳)から。(哲学者;鷲田清一のことば、朝日新聞掲載)

※離見の見(りけんのけん)(世阿弥)

観客席より 見る所の 我が風姿は
我が風姿を 客観的に 見せてくれる
観客と 同じ所から 同じように見る
観客と 同じ所から 同じ心で見る
その境地に 入れて 初めて
我が姿の 真の姿を 見ることができる

世阿弥が能楽論書「花鏡」で述べた言葉。演者が自らの身体を離れた客観的な目線をもち、あらゆる方向から自身の演技を見る意識のこと。反対に、自己中心的な狭い見方は「我見(がけん)」といい、これによって自己満足に陥ることを厳しく戒めている。

我見の見(世阿弥)

我が目の見るところは 我見なり
目は前を見て 心は後に置くこと
我が後姿を 強く自覚しないと
姿の俗なることが 見えなくなる

今の世界を考えさせられる。

あん鍼灸院は離見という意識を持ち続け、患者さまと共に病を克服してゆきたいと思います。

以上

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脈診経絡はり治療専門
あん鍼灸院

香川県高松市木太町1247-11
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